猫の疾患及び獣医学
Amyloidosis (アミロイドシース) について
【概要】
アミロイドーシスは、異常に折りたたまれたタンパク質の物質であるアミロイドが体のさまざまな器官に沈着したときに起こる状態です。
アミロイドは正常な細胞を移動させることにより損傷を引き起こします。
アビシニアン猫では、アミロイドは主に腎臓に沈着し、腎機能の低下を招き、致命的な腎不全を引き起こす可能性があります。
アミロイドーシスの臨床症状は、進行性の腎臓損傷に関連しており、過度の排尿、脱水、毛質の低下、歯肉炎(歯肉の炎症)、嗜眠、食欲不振および体重減少が含まれます。
一般的に、猫は1歳から5歳の間にアミロイドーシスを発症しますが、病気の進行はさまざまです。罹患した猫の中には、アミロイドの沈着がゆっくりと起こり、腎機能が数年間十分なままである場合があります。
アミロイドの沈着は急速で重度であり、腎不全は1年以内に発症します。
臨床徴候が顕著になり、アミロイドーシスが疑われるときまでに、著しいアミロイド沈着と関連する腎障害がある可能性が高いため、多くの場合、死後検査で診断が行われます。
猫のアミロイドーシスは科学文献でめったに報告されず、遺伝様式は不明です。
これは、その状態がまれであるか、診断の不足により過少報告されていることを示している可能性があります。
アミロイドーシスは他の猫種よりもアビシニアン猫で流行しており、その形質が血統遺伝していることが分かっています。
したがって、罹患した猫からの繁殖、および祖父母、兄弟、前の子孫、両親の兄弟を含む重度の影響を受けた近親猫からの繁殖を避けることが推奨されます。
1.説明
アミロイドーシスには、不溶性の繊維状タンパク質(アミロイド)が体のさまざまな組織に細胞外に沈着することが含まれます。アミロイドは、正常なタンパク質とポリペプチドの不適切に折り畳まれたバージョンであり、一緒に集まって不溶性原線維を形成しています。さまざまなタンパク質がアミロイドを形成する可能性がありますが、最も一般的なタイプは血清アミロイドAに由来します。
アビシニアンの猫では、血清アミロイドAに由来するアミロイドは主に腎臓に沈着し、脾臓、胃、腸、甲状腺、心臓などの他の組織にも沈着します。これらのアミロイドは、正常なタンパク質よりも体が分解するのが難しいため、健康な組織を蓄積して置換し、腎臓の正常なプロセスを破壊します。罹患した腎臓は肥大し、炎症を起こし、正常に機能できなくなります。それらは血液から尿素などの体の有毒な老廃物をろ過することができず、また貴重なアミノ酸とタンパク質を体内に再吸収して尿に失うこともできません。
病気が進行するにつれて、腎臓組織はアミロイド原線維に置き換わるので、腎臓組織により多くの損傷があり、最終的にこれは致命的な腎不全を引き起こします。影響を受けた猫は、血液からのタンパク質損失の結果として非再生性貧血になり、血液中の異常に高いレベルの窒素とリン酸塩を示す場合があります(高窒素血症、高リン血症)。これは、血液の過剰な酸性度(代謝性アシドーシス)につながり、正常な身体機能を妨げます。介入なしでは、これらの毒素は血液中に蓄積し、影響を受けた動物の昏睡と死に至る可能性があります。アミロイドーシスの臨床徴候は、進行性の腎臓損傷に関連しており、過度の飲酒と排尿(多飲、多尿)、脱水、毛質の低下、口内の青白い歯肉などの青白い粘膜。
2.影響の強さ
アミロイドーシスの臨床徴候は、腎障害の重症度に関連して異なります。腎臓に著しいアミロイドの沈着がある猫は、腎臓の損傷が起こり始めるため、一般的に気分が悪くなります。それらは、タンパク質の損失と血液中の毒性物質の蓄積の両方のために、無気力で弱いかもしれません。罹患した猫の食欲は減退しますが、過度の飲酒や排尿、嘔吐があります。罹患した猫の中には、重度の歯肉炎(炎症を起こした歯肉)があり、これは痛みを伴い、これにより食欲がさらに減少し、体重が減少します。また、腎臓が特定の老廃物を排出する能力を欠いているため、腹痛をおこすこともあります。
この状態は進行性で治療不能であり、より健康な組織がアミロイド物質で置換されるため、腎不全につながります。猫には慢性腎不全の対症療法を施すことができます。肝不全の進行速度は、通常、状態の後期段階で急速です。罹患した猫が血液中に老廃物の蓄積が中程度になったら(高窒素血症と高リン血症)
3.影響の期間
一般的に猫は1歳から5歳の間にアミロイドーシスを発症しますが、病気の進行はさまざまです。罹患した猫の中には、アミロイドの沈着がゆっくりと起こり、腎機能が数年間十分なままである場合があります。アミロイドの沈着は急速で重度であり、腎不全は1年以内に発症します。
4.影響を受ける動物
猫のアミロイドーシスは科学文献でめったに報告されず、これは病気がまれであるか、病気が認識または診断される前に非特異的な臨床徴候の診断の欠如および、または死亡のために過少報告されていることを示している可能性があります。アビシニアン猫で最も一般的に説明されています。
5.診断
獣医は、触診で小さく、硬く、不規則な腎臓を感じることがあります。これは、アミロイド沈着を示している可能性があります。ただし、腎生検サンプルのアミロイド沈着物を特定することにより、確定診断が行われます。臨床徴候が顕著になり、アミロイドーシスが疑われる時までに、著しいアミロイド沈着と関連する腎損傷があったため、多くの場合、死後検査で診断が行われます。
6.遺伝
アミロイドーシスは遺伝的に受け継がれた病気で、アビシニアン猫の血統内で発生します。アビシニアン猫は、アミロイド症の感受性が低い他の品種と比較して、アミロイド原線維を形成する可能性が高い血清アミロイドAの遺伝的に異なるバージョンを持っています。しかし、現在の遺伝様式は不明であり、これらの遺伝子とアミロイドーシス感受性が猫でどのように遺伝するかを決定するには、さらなる研究が必要です。
7.動物が保因者であるか、または罹患する可能性があるかどうかをどのようにして知るのですか?
猫のアミロイドーシスを特定するための遺伝子検査は現在利用できません。アミロイドーシスは他の品種よりもアビシニアン猫に多く見られ、その特性は血族内で発生するため、影響を受けた猫の親や子孫はアミロイドーシスを発症する素因となる遺伝的変異を持っている可能性があります。
8.問題解決の方法と展望
猫のアミロイドーシスを特定するための遺伝子検査は現在利用できません。アミロイドーシスは他の品種よりもアビシニアン猫に多く見られ、その特性は血族内で発生するため、影響を受けた猫の親や子孫はアミロイドーシスを発症する素因となる遺伝的変異を持っている可能性があります。
“Universities Federation for Animal Welfare” Webサイト参照
Boyce JT, DiBartola SP, Chew DJ and Gasper PW (1984) Familial renal amyloidosis in Abyssinian cats.
Veterinary Pathology 21: 33–8文献参照
FIPについて
FIP(猫伝染性腹膜炎)はコロナウィルスが突然変異してFIPウィルスになり発症する病気です。その確率は1%~5%と低いものですが発症したらほぼ死に至ります。
残念なことに、殆どの猫がコロナウィルスを保有していると言われています。
コロナウィルスの数値が高くても発症しない猫もいれば、数値が低くても発症する猫もいます。コロナ数値との因果関係はないように思われますが、発症要因の一つと考えられています。
特に6ヶ月頃から2歳頃、老猫がFIPを発症しやすいと言われています。
和病名は猫伝染性腹膜炎となっていますが伝染力は低く、伝染することは無いに等しい。
ウェットタイプとドライタイプがありウェットは腹水がたまりお腹が風船のように脹らみ、ドライは脳神経・目等が冒されます。ドライタイプの場合、FIPと診断することは難しく、確定するには解剖するしかないと獣医に聞いています。
また、ワクチンも無く防ぐ方法がありません。
FIPについては未だ原因解明されず、欧米で研究がなされているのが現状です。
原因の一つはストレスだと言われています。猫はもともとストレスに弱く、免疫力が低下している状態でストレスを原因として病気を誘発する場合があります。
常日頃から免疫を上げてあげる事を心がけると良いでしょう。
アビシニアンの遺伝子疾患について
・PK Pyruvate kinase deficiency of erythrocyte(赤血球ピルビン酸キナーゼ異常症)
・PRA Progressive Retinal Atrophy(進行性網膜萎縮症)
アビシニアン特有の遺伝子疾患として、上記のPKとPRAがあげられます。
【概要】
PK........この疾患はPKをコードするPKLR遺伝子変異が原因でおこり、赤血球機能異常である非球状赤血球性溶血性貧血が起こってしまいます。この遺伝性疾患は主にアビシニアンやソマリにみられる疾患でしたが、ベンガルやサイアミーズ、オリエンタルショートヘアーにも確認されています。
PRA......眼の奥にある網膜が変性、萎縮することによって視力の低下が起こり、その後も
徐々に進行して失明にいたる病気です。今日ではロシアンブルーでも発見されています。
当キャッテリーはUCディビス校(米国カルフォルニア大学)で遺伝子検査を実施。
検査結果はN/N、N/K、K/Kで報告されます。
N/Nはpk欠損のコピーなしノーマル。
N/Kはpk欠損が1コピーでキャリアになります。
K/Kはpk欠損が2コピーで発症します。
繁殖するブリーダーはこの検査結果が大変重要になり、ライン血統及び受継ぐ子孫の基本となります。
両親猫がN/Nノーマルであれば問題がなく、生まれてくる子猫の遺伝子検査をする必要はありません。
しかし、片親がN/Kキャリアであれば生まれてくる子猫を遺伝子検査し、ブリーディングプランを考えていく必要があります。
もし両親猫がN/K同士であれば、生まれてくる子猫は1/4の確率でK/K発症した子猫が生まれてきます。これはブリーダーが避けなければならない繁殖です。
欧米のブリーダーではPKおよびPRAの遺伝子検査は常識であり当然のことです。
しかしながら、日本のブリーダーの中には過去繁殖に関して問題がなかったと遺伝子検査の必要性を否定している方もいます。
遺伝子疾患を持った子猫を出産させない、それは事前の遺伝子検査で判明しブリーダーの意識で避けられることです。
もし、子猫が遺伝子疾患を持って生まれたら、何も知らず子猫を迎えたオーナー(飼い主)もブリーダー自身も辛く悲しく、なによりも子猫がかわいそうです。
ブリーダーはこの事を真摯に受け止め、命を創り出す重大さを自覚しなければなりません。
遺伝子テスト結果
PRA 遺伝子検査結果
SNOW ANGEL ALEXANDRITE BOWY
PK 遺伝子検査結果
SNOW ANGEL ALEXANDRITE BOWY
BLOOD GROUP (血液型検査)
SNOW ANGEL ALEXANDRITE BOWY
PK 遺伝子検査結果
MARTINBROWN AUDREY HEPBURN
PRA 遺伝子検査結果
SHAFRAN DOW JONES OF MARTINBROWN
PK 遺伝子検査結果
SHAFRAN DOW JONES OF MARTINBROWN
猫の生態
猫のゴロゴロについて
猫のゴロゴロは骨密度や免疫力を上昇させる!
1999年、ニューヨーク州立大学生物医学工学部 クリントン・ルービン博士は20-50Hzの
周波数の振動を与えることで動物の骨密度が上昇する という治療報告を発表しました。
また、2001年にアメリカのファウナコミュニケーション研究所も研究成果を発表しています。
実際にサッカー選手のベッカム選手などをはじめ、スポーツ選手にもこの技術が取り入れられ、骨折の治療を早めたりすることを可能にしているようです。
超音波骨折治療法とも呼ばれており、特定の弱い超音波を定期的に骨折部に当てることで骨折治癒を促進させる治療法が確立されています。
この猫のゴロゴロ音を応用して、さらに重力が乏しい宇宙空間における骨密度の低下の問題を解決するためにこの技術が活かせるのかを研究しているそうです。
20-50Hz帯は人間のセロトニン(幸せホルモン)の分泌が促進されるという側面もあります。
もちろんこれは猫自信のヒーリング効果もあり、自身の骨密度を上昇させる効果の上、
骨や筋肉をゴロゴロで振動させることで体温や血液循環を上昇させて、免疫力を増強したり、血圧を低下させる効果が期待されます。
まさにセルフヒーリングで自己治癒力の向上です。
また、より緊急性があるときは、ゴロゴロ音の周波数を約100Hzあたりまで高める傾向があります。
これは、ゴロゴロ音の利き手である飼い主に対してより緊急性があることを伝えたり、よりヒーリング効果を高めるためとも考えられています。(Current Biology 19, 2009)
ライオン以外のほとんどの猫科動物は単独行動であまり群れを作りません。
自分がけがをしてしまったときは、狩りもできなくなり強敵から逃げられなくなります。自己治癒を促進させる必要がある環境で生きてきたので、このような能力を身に着けたとも考えられています。(アメリカ、ファウナコミュニケーション研究所の研究結果および考察)
猫の病気が重篤であったり、死期が近づいたときにもセルフヒーリングとしてゴロゴロ音を頻発するようになります。
猫のストレスについて
■ 猫のストレスサイン
・ご飯を食べない
・過剰なグルーミング
・トイレ以外の排泄
・突然鳴いたりする
・ 病気や体調不良になる
■ストレスの原因
・環境の変化
・トイレ、排泄場所が気に入らない
・大きな音
・香水等のきついにおい
・地震、季節の変わり目の自然からくる環境の変化
・運動不足
* なるだけストレスを取り除くことを心掛けましょう。そのためにはストレスの原因を突き止める必要がありますが、飼い主が思いもよらないことでストレスを感じているかもしれません。ストレスは愛する飼い猫の寿命を縮める原因になる恐れがあります。
猫の生活環境を整えてあげることは基より、それよりも飼い主である家族がご機嫌であることが何よりも重要になります。
すべての物や生き物にはエネルギー(周波数・波動・磁場・電磁)があり、
視覚では確認できませんが空気・空間に複雑に絡み合うように流れています。
音も人間の感情(喜怒哀楽)も波動エネルギーで振動し猫に伝わります。
(量子力学の分野で論証されています。相対性理論は古い学問といわれています)
猫はポジティブなエネルギー、ネガティブなエネルギーをストレートにキャッチする感覚主導の生き物で、飼い主がストレスを持っていると純粋なまでに猫は受けてしまい、共振してしまいます。
ストレス社会の現代ですが、飼い主が楽しくいることポジティブでいることが猫の健康を維持し、
長生きに繋がることを忘れないでください。
アビシニアン猫の寿命
アビシニアン猫は純血種の中でも最も短命で、平均寿命12歳であると言われているようですが、それは飼い方次第、管理次第だと言えるでしょう。
猫の生態に合わせたフード、ストレスを与えない環境など気を付けてあげれば、
もちろん個体差はありますが、飼い方次第で寿命は伸ばしてあげられるということです。
加えて言うならば、ブリーダーはブリーディングする血統を読み解き考えて交配する必要性があり、異種交配、アウトブリーディングだから安心とするのは安易な考え方です。
命を作り出すブリーダーは最小限認識しなければならないことだと私は思っています。
災害に備える
いつ突然大規模災害が起こるか予測することはできません。
災害が起きたら人間の命が最優先され、ペットたちは民事では物扱いなので後回しにされるのが現状です。ペットへの支援物資は届かず、一緒にいることさえ叶わないかもしれません。 そのために事前に準備しておくことをおススメします。
1.マイクロチップを挿入
世界どこに居ても個体識別が出来ます。
動物病院で異なりますが、¥5,000ほどで挿入することができます。
その後、(社)日本獣医師会に登録します。(登録料¥1,000)
2.キャリーバックを持ち出しやすい場所に置いておく
ソフトタイプよりもハードタイプをお薦めします。
3. フ ード/猫砂/ペットシーツの備蓄
3日分以上のウエットフード(水分補給ができる)ドライは水補給が倍必要になるので緊急時にはお薦めできません。
賞味期限があるのでローティーションで常に新しいフードを備蓄しましょう。
ペットボトル水を備蓄。但し、硬水は避ける、軟水(水道水に近い)を準備。
ペットシーツを大目に用意。ペットシーツは万能で大いに役立ちます。
3.携帯型ケージ/トイレの準備
折りたためるソフトケージを準備しておくといいでしょう。
トイレ/フード/水を入れる器の準備。
トイレは100円ショップで売っているもので代用できます。
4. キャットニップかまたたび入りおもちゃ等
大規模災害時はショックと大きなストレスを抱えます。キャットニップ等はストレスを多少緩和してくれるでしょう。
5. リードの準備
常日ごろからリードを装着し慣れさせておくことをお薦めします。リードは胴型リードが良いです。猫は俊敏性に優れ、尚且つ環境の変化に脱走を計ります。脱走防止にリードは役立ちます。
Policy for my cat
私の猫に対する考え方
猫にもそれぞれ個性があります。
我家のアビシニアンたちに接する時は1匹ずつその子の個性に合わせてコミュニケーションをとります。
シャイな子もいれば大雑把な子、マイペースな子や気を使う子、それぞれ個性豊かな子たちです。
猫という一括りではなく、人と同じ感覚で対等な関係です。
私の子でいてくれることに感謝と尊重をもって接しています。
CFAについて
CFAとは
CFAとは正式名称(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC/ザ・キャト・ファンシャース・アソシエーション)の頭文字3文字をとった通称名です。
この団体は1906年に設立され1世紀以上の歴史を持ち、現在、米国オハイオ州アライアンスに本部を構えています。
CFAは猫の品種改良により遺伝的な欠陥を排除した各種血統猫の健康促進を最大の目的とし、アメリカ本土・カナダ・南米・ヨーロッパ・ロシア・中国・台湾・東南アジアおよび日本に、その所属クラブ600以上の数を数える世界最大の愛猫協会として活動する非営利団体です。
CFAでは各純血猫種ごとにブリードカウンシルを設け、1年ごとに各純血猫種のスタンダードをブリードカウンシルメンバーで議論し決定しています。このCFA及びTICAが認めた各ブリードだけが正式な血統純血種としてみなされます。
*CFAもしくはTICA以外で発行された血統書は正式な血統を認めるものではなく国際的には通用しません。
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